6.27.2013

“狂乱の20年代”②「スーツについて」

ネット上ではあまり、1920年のメンズウェアに触れられる事は少ない。
それは、激動の時代で文化の多様化が甚だしく、様々な流行も生まれ、職業や階級によっても服装は全然違った。
ファッションも文化同様に多様化し、全員がこういう服装をしていたと定義しきれない所があるのだ。

まず20年代に有名なファッションは「Jazz Age」と呼ばれるファッションだ。

現代に置き換えるなら80年後半のMCハマーを模倣したハマ男と呼ばれる方やヒップホップを聞く若者に流行したB-BOYと同じだ。

今風に言うなら恐らくJ-BOYなんて言われるのだろうか。

Jazz Ageの人間が着ていた洋服を映像で観る事が出来る。
この動画を参照して欲しい。

正直、詳しく書けば書くほど文章とは長くなってしまうので、めちゃめちゃ詳しく書いている方がいらっしゃるのでもっと知りたいという方はこちらのブログをご覧頂きたい。
http://the-king.jp/nana_152.htm

それよりもその頃の黒人について個人的には注目してもらいたい。
まず、JAZZとはブルース等と違い、西洋の音楽とアフリカ系アメリカ人のミクスチャーである事が大前提である。
ブラックミュージックの中でも非常に白人寄りの音楽である。

そして、アメリカでは南部において黒人差別が強烈に残っており、1960年の公民権運動からケネディの登場までKKK(クークックスクラン)を中心に普通に黒人が迫害され、権利など無く奴隷として扱われていた。

その南部で生まれたJAZZはラジオの発展と禁酒法により地下へ潜るSPEAKEASYを通して発展を遂げ、ニューヨークやシカゴという都市で爆発。
戦争に借り出され、悶々としていた人間の心を打ちまくる。
白人は黒人の音楽でもう手や足をブルンブルン振りまくり踊りまくった。
そして、黒人も自分達の権利の拡大の手段としての活路をその音楽に見出した。

黒人のスタイルが初めて白人の心を打ち、そこで着ている洋服も影響力を持ち始める。

それが1920年のヒップホップスタイルであるJAZZ SUITSである。
それは、当時スタイルの中心であったサックスーツ(このブログでも後に登場します)とは、全く違うシルエットや雰囲気を持っている。

人と違う物。
個人的な主張や考え、哲学がミックスされたファッション。
社会や体制。自分達の状況への反抗・主張。
「俺はここだ!」という声が見ただけで聞こえてしまうようなファッション。
正にかっこいい条件が揃った初めてのスタイル。それがJ-BOYが着ていたジャズスーツである。



次回、JAZZ SUITSについて。

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